ワーママさんの多くが、育児と仕事の両立に四苦八苦しており、「子どもが小さくて大変」「家事が忙しくて疲れる」と言われていますよね。
でも、正社員として働く場合は、さらに過酷な環境に置かれがちです。長時間労働に加え、職場の理解が得られず、心身ともにダメージを受けているワーママさんも多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ワーママさんが「正社員は疲れた」となってしまうときの対処法や先輩ワーママさんの実話について解説します。
正社員のワーママさんで、子育てとの両立が難しく悩んでいる人は、上手な両立の方法が分かります。
頑張りすぎは心身の健康を崩してしまうので、無理をしないように…。
子育て中のワーママの割合とは?
完全に正確な統計データを確認できなかったものの、調べた結果で以下のことがわかりました。
- 内閣府の「男女共同参画社会に関する世論調査」(2020年)で、「8歳未満の子どもがいる母親(既婚者)のうち、51.5%が就業している」と回答
- 総務省の「労働力調査」(2020年)で、「25歳から44歳の女性の就業率は75.4%」と回答
- 厚生労働省の「2021年(令和3年)国民生活基礎調査」で、18歳未満の子供がいる世帯の母親が仕事をしている割合は75.9%と回答
このことから、およそ7割近くの母親が、子育て中にワーママとして働いていることになります。
それぞれの家庭の事情があるなか、ワーママさんは本当に頑張っていると思います。
正社員のワーママは一番何が疲れる?
こちらは「家事・育児・仕事」を全てうまくこなさなければならないことによる心身のストレスです。
正社員として働くワーママの日常は過酷です。職場によっては休日出勤や長時間残業は避けられず、子育ての時間がほとんど取れません。
また、サービス業など出社が必要な業務では、会社に子どもの病気や怪我を伝えても、なかなか理解が得られない環境です。
一方で、旦那側の昇進や異動の可能性が常にあり、転勤となれば生活環境が一変します。そうなると、今の子育ての環境を維持できなくなるでしょう。収入の心配もありますし、旦那が転勤を断れば将来がないと言われかねません…。
今では少なくなりましたが、男性職場場合は理解が得られず、ママ差別的な待遇に心を痛めたママも少なくありません。しかも、家に帰れば家事・育児が待っているので、実質寝てる時間以外はフル稼働なのです。
このように、家庭と仕事の板挟みにあるので、ふとしたときに「もう無理ー!」となっちゃうんですよね…。
【実話】正社員で頑張るワーママさんの声
以下では、正社員で働くワーママさんの声を紹介します。
長時間労働と休日出勤がある(企業営業職/37歳)
業務が多く、会社は早くて20時くらいに終わるのですが(そもそも残業が多い)、まだ家での用事が山積みでした。子どもの宿題の手伝いをし、夕食の支度をしなくてはなりません。食事が終わると子どもの入浴に付き添い、寝かしつけの時間も必要です。
その後に、やっと洗濯物を畳んだり、翌日の準備をしたりと、家事が一通り終わるのは夜遅くになることが多かったです。そうこうしているうちに、もう子どもは寝入ってしまっていました。
一日の終わりにようやく子どもと会話する時間が取れるはずが、私は夜な夜な疲労で気力が残っていませんでした。子どもに「おはよう」「いってきます」と言うだけで、会話が途絶えてしまうこともしばしばでした。
さらに悪いことに、週末は子どもと過ごす予定が、会社から突然出勤を求められ、家族との貴重な時間が台無しになってしまうことも何度かありました。振り返れば、子どもとの大切な時間を何度も無駄にしてしまったと思います。
営業職は今でこそリモートでできるところも多いですが、出社となると大変です。
職場の理解不足と偏見(旅行業界/33歳)
私は旅行業界で働く33歳のワーママです。妊娠した当時は、まだ産休に入る前だったので、同僚からは『すばらしい!頑張ってね』と期待された視線が注がれていました。しかし、産休から復帰した後は状況が一変してしまったのです。
復帰早々、上司から単純作業ばかり任されるようになり、昔のように責任のある仕事を与えられることはありませんでした。大切な打ち合わせなどにも呼ばれなくなり、仕事から徐々に蚊帳の外に追いやられていく思いでした。
そのうち、同僚からも『子育て中だし、無理だろう』といった視線を感じるようになってしまいました。妊娠前から働いていた私への偏見なのか、単に子育て中の女性への先入観なのか、わかりませんでしたが、だんだんと居場所を失っていく思いにとらわれるようになってしまいました。
これまで頑張ってきた私の仕事に対する姿勢や実績が、子育てを機にすべて無に帰してしまわれたかのようで、モチベーションが下がり、会社に通うのも億劫になってきてしまいました。職場の理解不足と偏見に傷つき、孤立無援の心境に陥ってしまったのです。
キャリアと両立したいワーママさんがよく陥ってしまう状況ですね…。
体調不良と夫婦ゲンカのスパイラル(金融業/32歳)
生後6ヶ月の子どもを持つ夫婦で、育児と仕事の両立に日々追われています。
夜な夜な赤ちゃんが機嫌を崩し、2、3時間おきに起きて泣き叫ぶので、そのたびに寝室に駆け付け、抱っこやおむつ替えでなだめるのですが、なかなか落ち着きません。そのうち夜が明けて、まともな睡眠が取れないことが多々あります。
そのまま朝を迎え、家事と準備して会社に行きますが、目覚ましが鳴るまで眠れない時も。仕事中は常に眠気と集中力の無さに悩まされ、ミスも重なり、頭痛がひどくなります。
そうして家に帰って来ると、夫が先に帰宅していても家事は全くできていない有様。だれもが気分転換できる夜の時間さえ、家事と子育てで消耗するばかりです。
イライラとストレスがたまる一方で、疲労と無力感から、つい夫に当たり散らすこともあります。すると夫も反発し、些細なことでゲンカになってしまいます。こうしてお互いの虚しさと不満が高まり、ストレス発散の場が失われていく悪循環に陥ってしまうのです。
子育てももちろん大切なので、やはり夫婦で話し合うことが必要ですね…。
家事と育児の負担増大(小売業/38歳)
私は38歳の小売業に勤めるワーキングマザーです。長男が小学3年生、次男が1年生という子育ての最中にあります。
子どもが小さい頃は確かに大変でした。夜泣きに起こされたり、抱っこやおむつ替えに追われたりと、育児は過酷な作業の連続でした。しかし、それでも旦那の手伝いもあり何とか乗り切れたものです。
ところが、子どもが成長するにつれ、私の負担は段々と増えていきました。習い事が始まり、クラブ活動の送り迎えが必要になってきたのです。放課後は塾や家庭教師の手配もしなければなりません。学校の行事にも参加しなければならず、欠勤するわけにもいきません。
旦那は長時間労働が当たり前の会社勤めです。平日は毎日残業し、休日出勤もしばしばあります。子どもの世話は全て私一人で担わなければならなくなってきました。
家事と買い物、食事の用意に加えて、子育ての負担が日に日に重くのしかかってきます。なんとか工夫しながら乗り越えようとしますが、限界を感じざるを得ない日々が続いています。
子どもが成長したら成長したで、めちゃくちゃ大変なんですね…。
正社員のワーママは疲れた…となる原因と対処法
ご紹介した実体験から、正社員のワーママさんが疲れてしまう原因は、以下の4つであることがわかります。原因を間違えてアプローチしてしまうと、事態がより悪い方向へいきかねないので注意しましょう。
原因:長時間労働と休日出勤の常態化
この対処法の具体的なポイントを挙げると、
- 育児と仕事の両立で心身ともに限界が来ていることを上司に率直に伝える
- 長時間労働が続き、子育ての時間が十分にとれていない実態を伝える
- 休日出勤が多く、家族とゆっくり過ごす時間さえ持てないことを訴える
そして、現状の改善策として、
- 短時間勤務や在宅勤務など、働き方の選択肢を提案する
- 産休・育休明けの育児支援制度の適用を求める
- 今後のキャリアプランについても一緒に立てることを提案する
上司や職場に状況を隠さず開示することで、理解を得やすくなります。会社側も人材の確保・定着が重要となるため、何らかの対応は期待できるはずです。
一方で、上司が理解を示さない場合は、人事部門や労働組合など、別の説得ルートを模索する必要があります。現状の働き方が限界だと自覚したら、踏み込んだ交渉をしていく覚悟が求められます。
職場によってはやばい職場もあるので、その際は転職を考えてもいいかもしれません。
原因:職場の理解不足と偏見
こちらは男性社会の職場に多い印象ですが、できることは以下の3つがあります。
1.パートタイム勤務への転換
労働時間を短縮し、家庭生活との両立をするためにも、パートへ転換することも方法のひとつです。
とくに、キャリア志向のワーママさんは抵抗感があるかもしれませんが、場合によっては同じ会社で再度正社員への復帰ができる可能性もあります。
また、フレックスタイムなど働き方を柔軟に調整できる働き方の提案から、制度が新しくできる可能性もあるので、交渉してみましょう。
2.契約社員・派遣社員など非正規雇用
「契約社員は派遣社員」は正社員に比べ働く時間に制限があり、家事・育児と両立しやすい点が特徴です。
この働き方の場合は、転勤の心配もなく、現在の生活環境を維持できます。
とくに「派遣社員」の場合は、一般的に雇用は不安定になる、のような意見もあります。しかし、2020年4月の労働者派遣法改定があったことからも、福利厚生や収入面では大幅ダウンを避けられるので、再度注目されている働き方です。
3.フリーランス・在宅ワークへの転換
現在注目されている働き方に「フリーランス・在宅ワークへの転換」があります。
メリットとしては、「時間と場所に縛られず、子育ても十分にできるうえ、働き方を完全に自由、かつスキルさえあれば、プログラマーや翻訳家などに転向できる点」です。
今はココナラやクラウドワークスなどの、クラウドソーシングサービスもあるので、これらを活用して収入を得るワーママさんも多くいらっしゃいます。
原因:ストレスからの夫婦関係の悪化
子どもが小さければ夜泣きなどで寝不足となり、イライラや頭痛に見舞われ、夫にストレスを発散してしまうので関係が悪化してしまいます。
そこで、対処法としてコミュニケーションを大切にすることがやはり大切です。お互いの気持ちを素直に話し合い、理解を深めることが何より重要です。伝え合うことで、お互いの「気づかなかった苦労」に気づくことができます。
また、もし可能であれば、一人になる時間を旦那に協力して作ってもらいましょう。いわゆる、趣味やストレス解消の時間です。
でも、「なかなか時間を作れない」となると、他の原因で疲れてしまう可能性が考えられますね…。
原因:家事・育児負担の増加
子どもが成長すると習い事の送迎や家庭教師手配など、ワーママの負担が増える一方なので、改めて「家事・育児の分担」は見直してみましょう。
具体的には、
- 夫に習い事の送り迎えや家事(洗濯、掃除など)を分担してもらう。
- 両親や義両親に定期的に子どもの世話を手伝ってもらう。
-
習い事やクラブ活動の付き添いを家族で交代で担当する
会社に託児所があるほどの大手企業であれば、それもチェックしてみましょう。
正社員のワーママが疲れたときの対処法まとめ
ここまで、正社員のワーママが疲れたと感じるときの原因や対処法、実際の声などもご紹介しました。
正社員で働くワーママさんは少なくとも「週5で40時間」は仕事に割かれてしまいます。そんな中でもできる対処法がありましたが、正社員のワーママさんはぜひ自身を労ってあげてほしいです…。