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「ワーママは甘えるな」と自分で思っていたらうつになった話

「ワーママは甘えるな」と自分で思っていたらうつになった話のアイキャッチ画像 ワーママの生活

ワーママさんが時短勤務や育休をとることについては、今でも賛否両論があります。しかし、会社としては産休・育休制度があるのに「なるべく使わないでね」はおかしな話です。

しかし、会社や周りの人からは、せめて急に穴を開けるのではなく事前相談や引き継ぎはしっかりやってほしいという希望があることがほとんどです。

一方、ワーママさんのなかには、「家事育児との両立のために制度を使いたいけど、甘えるなとか言われてしまうのでは…」と不安になる人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、私が実際に聞いた「『ワーママは甘えるな』と思っていたらうつになった話」を中心にご紹介します。

Miki
Miki

少しでも体の異変を感じたら、ワーママさんでも休むことも大切なんだな…ということがわかります。

「ワーママは甘えるな」と思っていたら鬱になった話

以下では、あるワーママさんに聞いた実体験をまとめています。

忙しすぎる毎日

私は今年で34歳、長男は6歳、次男は3歳の育児を毎日こなしています。 旦那は駅から1時間以上の所に勤務しているため、朝は6時に起きてお弁当を作り、7時に子ども二人を起こします。

「お母さーん、まだ寝たいよー」「今日はパンツ嫌だ!オムツがいい!」 そんな子どもの抵抗を無視して無理矢理衣服を着せ、7時半には家を出ます。

保育園に長男を送り、次男と二人で近所のスーパーへ。買い物を済ませ、9時前には次男をベビーシッターさんの家に預けて会社へ向かいます。会社に着くのが9時半頃。有給を使うか別の手はずをしないと、時間に余裕がありません。

会社では社内メールのチェックに追われ、資料の確認と、そのままドタバタと仕事が始まります。お昼は本を読みながらパンを食べるだけです。

質問やミーティングの対応をした後は、また夕方までずっと仕事。18時30分には次男の預け先から迎えに行かねばなりません。

次男を抱っこして、長男の保育園まで歩いて迎えに。ある日は雨に打たれながら、次男をスリングで抱っこしていたことも。

長男を迎えたらスーパーで夕食の買い出し。菓子パンなど子ども向けのおやつも買わないと、ぐずったときの最終手段がなくなってしまいます。そして家に帰ると、夕食の準備に取り掛かります。

旦那が遅くに帰宅すると、上機嫌な長男はお父さんに甘えまくり。それまで私一人で子ども二人を相手にしながら夕食支度を済ませます。

子どもたちが寝付いたのが21時過ぎ。そこから家事や洗濯、それから残った仕事に取り掛かります。休憩を入れると、仕事を終えるのは深夜0時過ぎになります。

体への異変

こんな生活のなか、いつしか私は完璧を求めるようになっていました。仕事も家事育児も、しっかりとこなさないと!と自分を追い込んでいたのです。

家族に申し訳ない。もっと頑張らねばと思い、朝から晩までフル回転でした。休日でも、子どもの面倒を見ながら掃除や洗濯をこなします。旦那が食事の手伝いをしてくれますが、家事は私一人で全て抱え込んでいました。

子どもたちしつけながら、自分に対しても「ワーママでも甘えるな!」そう言い聞かせていたのかもしれません。

そんなワンオペ育児が続き、やがてぼうっとした頭痛と吐き気が襲ってきました。集中力が続かず、夜も熟睡できなくなりました。

「自分が情けないのかもしれない」 そう悲観的になりがちで、兆候に気づいていた私でしたが、どうにもできない状況でした。

激しいストレスを感じながらも、「乗り越えなきゃ」と子供たちの顔を思い浮かべては頑張り通そうとしていました。

しかし、ついに子どもたちに八つ当たりをしてしまいました。買い物に付き合わされたストレスが限界を超え、次男を平手打ちしてしまったのです。子どもが大泣きする姿に、私は自分の行動に驚き、その場で泣き崩れてしまいました。

医師から「うつ状態」の診断

翌日から職場に行けなくなり、2週間ほど休職。薬も処方されて、医師から「うつ状態」と診断されました。産後うつと同様の症状で、休養を強くすすめられてしまいました。

その後、私は徐々に回復に向かいました。休職期間中は旦那の助けを借りながら、家事と育児を分担してもらえたおかげで、大きな負担からは解放されました。

医師からは「完璧を求めすぎる傾向が見られる。自分へのプレッシャーを和らげることが大切だ」とアドバイスされました。確かに、ワーママとして子育てと仕事を両立させようと必至になりすぎていたのかもしれません。

徐々に気分が落ち着いてくると、自分一人で全てをやろうとしていた過去の姿勢を反省するようになりました。旦那や家族、職場の同僚に助けを求めることの重要性に気づいたのです。

「甘えるな」と、ワーママ自身が一番甘えを許さなかった。それも要因の一つなのかなぁなんてて思ったりしています。

この経験を経て

私の場合、幸い一時的なうつ状態で収まりました。しかし、仕事と育児の二足のわらじを同時に担うワーママは、常にうつ病のハイリスク層だと言えますね…。

私自身、回復後も時々うつ症状の前触れを感じることがあります。そんな時は迷わず休暇を取り、旦那と役割分担を見直したり、両親に子どもの世話を手伝ってもらったりと、環境の見直しを心がけています。

自分一人で全てを背負い込むのではなく、上手く助けを求めることが何より大切だとわかりました。

ワーママは「うつ病と隣り合わせ」なことを自覚し、常に自身の心身の状態を冷静に見守る必要があります。仕事、家事、育児といった役割の調整に加え、定期的な心の休養を忘れずにいることが重要なのかもしれません。

ただし、それでもなおうつ症状が続く場合は、一人で抱え込まずに専門家に相談するべきです。周りの理解と協力を得ながら、心の健康を守ることに全力を尽くしていきたいと思います。

なぜ「ワーママは甘えるな」と言われる?

度々ワーママさんの掲示板やSNSなどでは、「ワーママは甘え」という意見に対して賛否両論があります。一方で、なぜワーママさんは「甘え」と言われるのか、以下の理由が考えられます。

社会的な偏見

昔から「母親は家庭を守る存在」という固定観念があり、男性社会の多い会社ではとくに「ワーママが時短で働くことは甘え」と見なされがちでした。

時短や育休・産休を取得した場合は、空いた分の仕事のフォローは残された社員でしなければならないので、とくに人手不足の中小企業などでは「甘えている」と周りから白い目で見られる可能性が高いのも事実です…。

ロールモデルの少なさ

ワーママさんが増えた現代でも、上司や先輩、友人に置いてロールモデル(行動規範となる人物)が少ないうえに、他の社員からは育児と仕事の両立がイメージしづらく、「甘え」と受け取られがちです。

とくに、自分自身が一番最初の育休・産休取得だと、何も言われなかったとしても気を遣ってしまいますよ。

職場の理解不足

長時間労働が当たり前の職場では、産休・育休の取得や時短勤務、子育ての為の休暇取得が「甘え」と捉えられることもあります。職場の理解が不十分なのです。

このような考えをする会社も多くありますが、ワーママさんがいきなり抜けるのは流石にちょっと…とはなるものの、ワーママになることを見越して会社が準備していなかったのであれば、それは会社の責任です。

(自分自身が)完璧主義

責任感の強いワーママさんは、自分自身が完璧を求める傾向が強く、少しでも手を抜くと「甘えている」と自己批判してしまう面もあります。

SNSなどで完璧なママ像が流布されているのも一因かもしれません。

Miki
Miki

キラキラに過ごしているワーママさんをSNSで見かけますが、あそこまで余裕に振る舞う時間なんてありませんよね…。

「ワーママは甘えるな」と自分で思っていたらうつになった話からわかること

紹介した話からわかることは、職場の仕事量の調整を会社でうまくやることはもちろんですが、「ワーママ自身でも、周りに協力を求めるコミュニケーションが必要」ということもわかります。

普段から、「しっかりやらないと」と意志の強いことは全く問題ではないものの、状況が変わるとその考え方が毒になってしまうこともあるのです。

逆に、周りに助けを求めているにも関わらず、全く聞き入れてもらえない、文句を言われるような会社であればいますぐ辞めるべきと言えるでしょう。

関連記事:ワーママの通勤時間は?減らせるたった1つの方法も解説

「ワーママは甘えるな」と自分で思っていたらうつになった話のまとめ

ここまで、「ワーママは甘えるな」と自分で思っていたらうつになった話や、そこからわかることなどを紹介しました。

検索エンジンやSNS上でも「ワーママは甘えなのか」の内容については賛否両論あります。一方で、とくに完璧主義なワーママさんがすぐにでもできることといえば、「完璧を目指さなくても良いということ」です。

うつ病になってしまうと完治まで数年かかるうえ、完治したとしても、その後ズルズルと引きずってしまいかねません。なので、絶対にこの状況を避けるためにも、まずは自分自身を労ることが重要です。

Miki
Miki

SNSを見ると負のスパイラルになってしまうので、見るのを敢えてやめるのもおすすめです。